抜粋 自己発見するには

この9章を通して、著者は自分自身へと続く道、自分と邂逅し、私たちの心理の世界の深遠に至る、難しい道を進むよう読者を導いてくれる。

「私たちが抱えるこれらの心理の欠点について掘り下げていくなら、様々な状態や振る舞い、不快感、拒絶、矛盾した感情やマインドのかっとう等があり、それらが個人の『我』あるいはエゴにおいて大きな役割を果たしていることがわかる。これらはエジプト人にとってのセト、ブッダを誘惑したマ−ラ、アポロが殺したピトンあるいはティフォン、ギリシャ人のヒュドラ、ゴルゴン姉妹とメドゥーサ、日本の四魔、等である。」

<p「大衆の精神分析を深く行うなら、自惚れには多くの形があり、その一つ一つが独自のアイデンティティーや人格を持っていることがわかる。これは、大変興味深いことである。なぜなら、それぞれが独立した個人的な生活を営んでいるかのようであるからだ。お互いに関係はあるけれども、まさに身体を支配した瞬間に、完全な自治権を持つ。」

「人間の心理において、怒りとその様々な派生物は、多くの人の最も顕著な特徴となっている。そして、7つの主なエゴは全てそうであるが、1500~2000の付着物を持ち得る。これらは、人生に起こる様々な状況から栄養を得ている。」

「妬みの土台は、自分自身のアイデンティティーや、自分が生来持つ価値を受け入れないことだ、と言える。これは、幼年期から育つ。このため、自分のではないものを自分のものと見せかける多くの人は、ひどい欲求不満を抱えて生きている。」

「野心はコントロールされていない欲望であり、たいていの人を虜にしている。これは、私たちが生活するあらゆる環境において普通のこととなっているため、広く知られており、また人々に無条件に支持されてもいる。」